GPS-1000型

マイクロ波の熱的効果と非熱的効果の比較・検証実験に

GPS-1000型システム
構成:GPS-1000型(本体)、反応容器セット、センサ他、冷却水循環装置CCA-1112A型(ノンフロンのCCA-1123A型もございます)
※ノートパソコンは付属します。



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加熱・冷却が可能なアルミブロック恒温槽を搭載したマイクロ波反応装置の画像をご紹介します

こちらをご覧ください。

複雑な合成反応の比較・検証に

  • 新開発の加熱・冷却が可能な伝送線路型アルミブロック恒温槽一体型導波管(PAT.P)を搭載
    マイクロ波発振器によるシングルモード(TE10)の進行波を利用することにより、マイクロ波の吸収による定量的な高速加熱を実現しました。マイク口波の「熱的効果」「非熱的効果」を分けた検証実験が行なえます。

    従来型のマイクロ波加熱は、定在波によりホットエリアが発生し、化学反応の精密温度制御や連続的な照射ができませんでした。GPS型のマイクロ波は、進行波により定量的なマイクロ波照射・加熱を行なうことができ、加熱・冷却が可能なアルミブロック恒温槽により、ホットエリアの問題や周囲温度に左右されない精密温度制御が可能です。
     

    従来のマイクロ波装置との違いは?

    従来のマイクロ波反応装置は効率的に加熱するための装置ですが、
    GPS型は「マイクロ波効果」の比較・検証が行なえる装置です。


    マイクロ波効果とは?

    マイクロ波の照射を行なうと短時間で反応が終り、収率が向上することが
    知られていますが、実際にマイクロ波のどのような作用によるものかは未
    解明の部分もあります。現在、マイクロ波には①②のような効果が想定さ
    れています。

    ① [熱的効果]
    電子レンジのような誘電損失による溶媒の高速昇温や均一加熱など
    ② [非熱的効果]
    双極子相互作用による遷移状態の変化やイオンの振動効果など

  • マイクロ波の吸収を計測・反応進行状況をリアルタイムでモニタリング

    熱量制御時にはマイクロ波吸収測定値の変化から反応熱を分離し随時計算することにより、高速なマイクロ波反応の反応進行状況(反応率)をリアルタイムでモニタリングできます。
  • USBスコープカメラ(オプション

    オプションのUSBスコープカメラをGPS-1000型装置の左側面に取付けることにより、マイクロ波照射中の反応状況の観察を行なうことが可能です。
    カメラの取付けには、専用のスコープカメラホルダーが必要です。(カメラ使用温度条件:結露しないアルミブロックが室温以上)
  • 混合溶媒の沸点を自動検知
    オプションの光ファイバー温度センサにより混合溶媒の沸点を自動検知し、 最適な還流条件での自動制御を可能にします。

    還流制御を使用して、通常の加熱還流とマイクロ波による加熱還流の比較実験が行なえます。混合溶液の加熱蒸気を凝縮し還流またはディーンスタークトラップにより脱水します。予め設定されたアルミブロック恒温槽温度(外温)と反応温度(内温)との温度差を最適に制御することにより、反応ロスを削減し反応濃度を維持します。
  • 定量的照射、再現性、精密温度制御
    マイクロ波から熱(ホットエリア)の影響を排除し、マイクロ波の連続照射をしながら、反応温度(50℃)での精密な制御が可能です。

    条件:設定温度 50℃、恒温槽温度 20℃、マイクロ波出力 自動調節
    ※反応温度を制御するためにマイクロ波出力は可変(熱量モード)
  • 反応温度とマイクロ波出力の両方を設定値に維持
    マイクロ波を一定出力照射しながら、反応温度を維持できます。同一温度条件でマイクロ波のあり・なし、強弱の比較実験が行なえます。

    条件:マイクロ波出力 100W、設定温度 90℃、恒温槽温度 自動調節
    ※反応温度を制御するために恒温槽温度は自動調節(内温モード)

仕様

製品名

マイクロ波反応装置(ウェーブプロ)

型式

GPS-1000

製品コードNo.

271910

価格(税別)

¥4,460,000

マイクロ波照射方式 半導体式(連続波)シングルモード
反応方法 液相合成(常圧反応、加圧反応)
加熱・冷却方式 アルミブロック恒温槽の加熱・冷却、試料へのマイクロ波加熱
温度制御方式 内温モード、外温・熱量・還流モード(温度センサ使用時)
撹拌方式 マグネチックスターラー
操作方式 付属のノートパソコン(専用の制御ソフトウェア)
反応容器・合成スケール(アダプター付替え式) ガラス容器(常圧反応):1~5mL、5~10mL、10~30mL、30~50mL、加圧容器(加圧反応):3~5mL
温度制御範囲 -13~200℃(常圧)、0~200℃(加圧) ※要冷却水循環装置CCA-1123A型
温度調節精度 恒温槽温度制御・溶媒温度制御 ±0.5℃(水)
発振周波数 2.45GHz(シングルモードTE10、半導体式発振器)
出力制御範囲 0W、1.0~100W(設定0.1W単位)
マイクロ波昇温速度 1.7~2.9℃/sec(水)
回転速度範囲 0rpm、100~2000rpm
安全機能 漏電・過電流ブレーカ、アラーム(発振器反射波上限、発振器温度上限、リアクター温度上限、ジャケット温度上限、マイクロ波漏洩、センサ断線、圧力上限、モータ過負荷保護、温度過昇防止、通信アラーム)
付属機能 CCDカメラ(オプション)
センサ 光ファイバー温度センサ(ガラス製保護管付)(オプション)
使用周囲温度・湿度範囲 18~28℃・35~65%RH
外寸法(㎜)・質量 380(460)W×498(580:C型)D×442H・約45kg
電源入力・電源電圧 11A・AC100V 50/60Hz

※ 反応容器・アダプターは別売りです。オプションの反応容器セットからお選びください。樹脂製加圧容器はカメラによる撮影は行なえません。
※ 非極性溶媒は進行波だけでは加熱できません。極性溶媒または触媒を混ぜて加熱するか、アルミブロック恒温槽により加熱させてください。
※ 室温以下の温調、還流を行なうには、冷却水循環装置CCA-1123A型(-13℃~)、内温・熱量・還流制御を行なうには、光ファイバー温度センサ(オプショ ン)が必要です。
※ 反応液の深さが30㎜付近では共振のため反応温度が安定しません。この場合、液量を変えるか別の反応容器サイズをご使用ください。
※ 高周波利用設備に該当します。高周波利用設備許可申請が必要です。
※( )内の寸法は突起物を含みます。
※ カメラはオプションです。USBスコープカメラ、カメラホルダーをご購入ください。



オプション

製  品  名 容量・サイズ 型式 製品コードNo. 価格
(税別)
径15反応容器セット 1~5mL GPS-15G 271950 ¥227,000
径24反応容器セット 5~10mL GPS-24G 271960 ¥166,000
径30反応容器セット 10~30mL GPS-30G 271970 ¥172,000
径35反応容器セット 30~50mL GPS-35G 271980 ¥68,700
径15加圧容器セット 3~5mL GPS-15P 271990 ¥456,000
光ファイバー温度センサ (光ファイバーセンサプローブ+温度計本体) GPS-10FB-CE 274610 ¥903,000
プレッシャーユニット (デジタル圧力計、リリーフ弁、切替バルブ付) GPS-10PR 271940 ¥535,000
防滴カバー 径15・24・30共用 272000 ¥20,100
径35用 272010 ¥21,200
温度センサホルダー Ts15 272020 ¥31,800
GL14 272030 ¥33,000
ジムロートコンデンサ Ts15/25 272040 ¥27,200
Y字管(側管平行) Ts15×2、GL14 272050 ¥14,300
ディーンスタークトラップ Ts15×2、GL14 272060 ¥16,600
USBスコープカメラ 使用温度条件:室温以上 282950 ¥215,000
スコープカメラホルダー USBカメラ固定部品 282960 ¥32,900
ガス置換ホースセット 273150 ¥14,300
冷却水循環装置 CCA-1123A 283570 ¥258,000

※径15~35反応容器・径15加圧容器セットの構成:反応容器類、アダプター
※加圧容器:最高使用圧力2.5MPa(at 200℃)
※USBスコープカメラ:使用温度条件:結露しないアルミブロックが室温以上であること